創業時の運転資金はいくら必要?資金繰りの考え方を徳島の税理士が解説

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創業時、いくらお金を用意すればいいのか

これから事業を始めるとき、多くの方が悩むのが「開業資金をいくら用意すればいいのか」という問題です。

店舗の内装、機械や車両、パソコンなどの設備。それに加えて、事業を始めてから毎月出ていくお金。どちらもお金がかかりますが、「いくらあれば足りるのか」の見当がつかない——創業のご相談で、本当によくお聞きする悩みです。

この記事では、徳島の税理士の立場から、創業時にどれくらいの資金を見ておくべきか、その考え方をお伝えします。あわせて、多くの方がつまずく資金繰りの落とし穴と、資金繰り表の作り方についても解説します。

「設備費用+固定費6か月分」が、ひとつの目安です

創業時の運転資金の目安は設備費用に固定費6か月分を加えた金額であることを示す図解

最初にお伝えしておくと、必要な資金額は、業種や事業の内容によって大きく変わります。「これだけあれば大丈夫」と一概に言えるものではありません。
ただ、創業のご相談を受けるとき、まったく基準がないと、考えを進めようがありません。そこで、ひとつの取っかかりとして、当事務所がお伝えしている目安があります。

創業時に必要な資金は、大きく2つに分けて考えます。
ひとつが設備費用です。店舗の内装工事、機械や車両、什器、パソコンなど、事業を始めるために最初に必要となる支出です。
もうひとつが運転資金です。事業を始めてから、日々の運営に必要となるお金のことです。

この運転資金をどれくらい見ておくべきか。当事務所がひとつの目安としてお伝えしているのは、売上がなくても出ていく固定費の、6か月分です。
固定費とは、売上があってもなくても、毎月必ず出ていくお金のことです。家賃、水道光熱費、通信費、従業員の給与、借入の返済、リース料などが該当します。

そして、ここで必ず含めていただきたいものがあります。法人であれば役員報酬、個人事業であればご自身の生活費です。
創業される方は、この点を見落としがちです。事業の経費ばかりを計算して、「自分がいくら必要か」を計算に入れていない。ですが、経営者にも生活があります。家賃や食費、家族の生活費は、事業の売上がなくても出ていきます。これを計算に入れずに資金計画を立てると、事業は回っているのに生活が立ちゆかない、という事態になりかねません。

つまり、設備費用 +(役員報酬や生活費を含めた固定費)× 6か月分。これが、創業時に用意しておきたい資金の目安です。

ただし、繰り返しになりますが、これはあくまで考え始めるための目安です。飲食業のように設備投資が大きく、売上が立つまでの期間が読みにくい業種もあれば、在庫を持たず初期費用が少なくて済む業種もあります。ご自身の事業に当てはめて、どれくらい必要かを具体的に検討することが大切です。その検討こそ、専門家に相談していただきたい部分です。

設備投資は「予算を決めてから」

創業時の設備投資は予算を先に決めないと膨らんでしまうことを示す図解

設備費用について、もうひとつお伝えしたいことがあります。
それは、先に予算を決めておかないと、想定以上の金額になってしまうということです。

創業される方は、これから始める事業に強い思い入れを持っています。「せっかく店を出すのだから、内装にはこだわりたい」「良い機械を入れたい」——その気持ちはよく分かります。

ですが、こだわり始めると、設備費用は際限なく膨らみます。あれもこれもと足していくうちに、当初考えていた金額を大きく超えてしまう。そして、設備にお金を使いすぎた結果、肝心の運転資金が足りなくなる——これは、創業時によくある失敗です。

だからこそ、設備投資は「使える金額の上限」を先に決めてから、その範囲で検討することが大切です。予算という枠を先に作っておけば、迷ったときの判断基準になります。

売上が立つまでは、想像以上に時間がかかります

創業後は売上が立つまでに時間がかかり支出との差を運転資金で埋める必要があることを示す図解

「なぜ固定費の6か月分も必要なのか」と思われるかもしれません。その理由は、事業が軌道に乗るまでに、想像以上の時間がかかるからです。創業前は、どうしても楽観的な見通しを立ててしまいがちです。「開業すれば、すぐにお客様が来てくれるはず」「知り合いも応援してくれると言っている」——そう考えて、資金計画を立ててしまう。

ですが、実際に事業を始めてみると、思うように売上が立たないことは珍しくありません。特に、ゼロから事業を立ち上げる場合、「0を1にする」ことの難しさは、やってみて初めて実感される方がほとんどです。
その間も、家賃や生活費は、容赦なく出ていきます。売上が立つのに時間がかかり、資金が足りなくなる——創業時の資金不足は、多くがこのパターンです。

だからこそ、余裕を持った資金計画が必要になります。「これくらいあれば大丈夫だろう」という楽観的な見積もりではなく、「売上がしばらく立たなくても持ちこたえられるか」という視点で考えてください。

資金繰り表を作ると、お金の感覚がつかめます

日ごとの資金繰り表を3か月続けるとお金の流れの癖が見えてくることを示す図解

資金の目安が立ったら、次にお勧めしたいのが、資金繰り表を作ることです。
資金繰り表とは、いつ、いくらお金が入ってきて、いつ、いくら出ていくのかを、時系列で書き出したものです。これを作ると、「今月末に、いくら手元に残るのか」が見えるようになります。

創業して間もない時期は、まず日繰り——つまり、日ごとの入出金を記録することをお勧めします。最初のうちは大変に感じるかもしれません。毎日、お金の動きを追いかけるのは、手間のかかる作業です。

ですが、これを3か月ほど続けていただくと、お金の感覚がつかめてきます。 「この時期は入金が薄い」「この支払いが重い」——自社のお金の流れの癖が、体感として分かってくるのです。慣れてくれば、作業自体も苦にならなくなります。

この感覚は、経営を続けていくうえで、大きな財産になります。

2〜6か月先は「月繰り」で見通す

直近3か月は日ごと2〜6か月先は月ごとのざっくりとした資金繰りで見通す方法を示す図解

日繰りで足元のお金を管理しながら、同時に、少し先の見通しも立てておきましょう。2か月先から6か月先くらいまでは、月繰り——つまり、月ごとの資金繰りで見ます。

作り方は、それほど難しくありません。今月の月ごとの資金繰り表をベースにして、その月に特有の支出を足していく、という方法です。

毎月かかる家賃や給与などは、基本的に同じ金額が続きます。ですから、それをベースにしておいて、「この月には税金の納付がある」「この月には保険料の支払いがある」「この月には設備の更新を予定している」といった、その月だけの特別な支出を加えていけばよいのです。

こうして先の見通しを立てておくと、「3か月後に資金が足りなくなりそうだ」と早めに気づけます。資金が尽きてから慌てるのではなく、余裕のあるうちに手を打てる。これが、資金繰り表を作る最大の意味です。

なお、創業時の資金調達については、「徳島で創業融資を受けるには?日本政策金融公庫と保証協会の使い方を税理士が解説」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

徳島で創業をお考えなら

創業時の資金計画は、事業の成否を左右する大切な準備です。設備にいくらかけるか、運転資金をどれだけ確保するか、そして資金繰りをどう管理していくか——これらを事前に整理しておくことで、事業を始めてからの不安が大きく減ります。

当事務所では、徳島で60件以上の会社設立・創業支援に携わってきました。

  • 税理士×中小企業診断士のダブルライセンスで、必要な資金の見積もりから資金繰りの管理まで、数字の面で創業を支えます
  • 資金繰り表の作り方も、実際の帳簿に沿ってお伝えします
  • 創業融資が必要な場合は、創業計画書の作成もお手伝いします
  • 徳島の地元で開業12年目。地元の事業環境を理解したうえでサポートいたします

「開業資金がいくら必要か分からない」「資金繰りをどう管理すればいいか知りたい」——そうしたお悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。初回30分の無料相談(対面・オンラインいずれも対応)をご用意しています。

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この記事を書いた人

逢坂剛税理士事務所 所長。税理士・中小企業診断士。2014年徳島市で開業。会社設立・創業支援から税務顧問、経営コンサルティングまで、税務と経営の両面からサポートしています。社会保険労務士も在籍しており、従業員の雇用に関するご相談もワンストップで対応可能です。

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