「税理士を変えると税務調査が来る」は本当?失敗しない税理士変更の進め方

「今の税理士に、なんとなく不満がある。でも、変えるとなると言い出しにくい」
こうした思いを抱えながら、なかなか踏み出せずにいる経営者や個人事業主の方は、とても多くいらっしゃいます。実際、当事務所への新規のご相談でも、「税理士を変えたいが、どう進めればいいか分からない」というお悩みを、本当によくお聞きします。
長年のお付き合いがあればなおさら、「お世話になったのに申し訳ない」「揉めたくない」という気持ちが先に立ち、不満を我慢したまま契約を続けてしまう——。
ですが、税理士は経営のパートナーです。相性や対応に不満があるまま付き合い続けるのは、本当はもったいないことです。この記事では、徳島で税理士をしている立場から、税理士を変えたいと思ったときの「円満な断り方」と、変更にともなう不安やトラブルの避け方を、わかりやすく解説します。「変えると税務調査が来るのでは」といった、よくある誤解にもお答えします。
「今の税理士を変えたい」——でも言い出せない方へ

税理士の変更を考え始めても、多くの方が同じところでつまずきます。
「辞めたいと、どう切り出せばいいのか分からない」 「長年お世話になったのに、失礼にならないだろうか」 「変更の手続きで、何かトラブルが起きないか心配」
こうした不安があるために、不満を感じながらも動けずにいる——。気持ちはとてもよく分かります。
そこでこの記事では、「変えてもいいのかという判断」「角を立てない断り方」「手続きの不安」の3つを、順番に解消していきます。読み終えるころには、自分にとって何が最善かが見えてくるはずです。
こんな不満があるなら、変更を考えていいサイン

まず、「自分は税理士を変えるべきなのか、それとも我慢すべきなのか」という判断から考えてみましょう。
当事務所にも、ほかの税理士から変更してこられるお客様が数多くいらっしゃいます。その方々が前の税理士に対して抱えていた不満には、共通するものがあります。次のいずれかに当てはまるなら、変更を前向きに考えていいサインだと、私は考えています。
提案や情報をくれない
決算が終わってから「今年の納税額はこれです」と金額を伝えられるだけ。事前の打ち合わせも、節税の提案もない。本来、税理士は決算前に利益の見込みを共有し、打てる対策があれば提案するものです。「結果を伝えられるだけ」の関係が続いているなら、見直す価値があります。
話しづらい・聞きたいことが聞けない
先生が偉そうで気軽に質問できない、「こんな初歩的なことを聞いてもいいのだろうか」と気後れしてしまう——。これは意外と多い不満です。税理士は、分からないことを安心して聞ける相手であるべきです。聞きたいことを聞けない関係は、それだけで不健全です。
最新のやり方に対応してくれない
クラウド会計に対応しておらず、やり取りはいまだに電話とFAX中心。こうした事務所も、実際にあります。クラウド会計を使えば、経理の手間も、税理士とのやり取りも大きく効率化できます。今の時代の道具に対応しているかどうかは、事務所選びの大切なポイントです。
これらは「わがまま」ではありません。経営に必要なサポートを受けられていない、という正当なサインです。
税理士を変える前に知っておきたい3つの不安と答え
変更を考え始めると、必ずいくつかの不安が浮かびます。よくあるものに、正直にお答えします。

年の途中で変えても大丈夫?
大丈夫です。税理士の変更は、いつでも可能です。
ただし、スムーズに進めやすいタイミングはあります。最も区切りがいいのは、決算が終わったあとです。一つの事業年度が終わったところで引き継げば、新しい税理士も状況を把握しやすく、過去のデータも整理された状態で渡せます。
もちろん、決算を待たずに期の途中で変更することもできます。「今すぐ変えたい事情がある」という場合は、途中でも問題ありません。その場合は、それまでの会計データの引き継ぎを丁寧に行うことが大切になります。
「税理士を変えると税務調査が来る」って本当?
これは、よく耳にする不安ですが、結論から言うと、税理士を変更したことが直接の原因で税務調査が来ることはありません。
税務調査の対象になるかどうかは、申告の内容や事業の状況などをもとに判断されるもので、「税理士を変更したから狙われる」というものではありません。変更そのものが引き金になることはない、と考えていただいて大丈夫です。
この噂を気にして変更をためらう方がいらっしゃいますが、心配は不要です。安心して、ご自身にとって良い選択をしてください。
長年お世話になったから言いづらい…
これが、いちばん多くの方がつまずくところかもしれません。
長くお世話になった相手に「辞めます」と伝えるのは、誰でも気が重いものです。ですが、契約を見直すことは、ビジネスとしてごく自然なことです。後ろめたく感じる必要はありません。
大切なのは、伝え方です。角を立てずに、感謝を込めて伝える方法を、次の章で具体的にご紹介します。
円満な断り方——角を立てずに伝えるコツ
税理士への断り方には、いくつかのコツがあります。これを押さえれば、気まずさをぐっと減らせます。

コツ1:不満をぶつけない
「先生のここが不満だったので」と理由を並べると、相手も身構えてしまい、引き継ぎがぎくしゃくしがちです。不満を直接ぶつけるのではなく、「自分の状況や方針が変わった」という形で伝えるのが、円満に進めるコツです。
コツ2:感謝を先に伝える
これまでお世話になったお礼を最初に述べてから、本題に入ります。感謝の言葉があるだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。
コツ3:タイミングは決算後が角が立ちにくい
一つの区切りである決算を終えたあとに伝えると、「一区切りついたので」という自然な流れになり、お互いに気持ちの整理がつきやすくなります。
これらを踏まえた、そのまま使える伝え方の例をご紹介します。
このたび、事業の体制を見直すことになり、税務まわりについても改めて検討した結果、別の事務所にお願いすることにいたしました。これまで長きにわたり大変お世話になり、心より感謝しております。
このように、正直に、でも相手を責めない形で伝えれば、たいていは円満に話が進みます。「事業の体制を見直す」というのは、税理士を変えること自体がまさにそうですから、誠実な言い方として成り立ちます。
口頭で伝えるのが気まずい場合は、まずメールや手紙で要点を伝え、そのうえで電話や対面で改めてお礼を述べる、という方法もあります。
変更の手続きと引き継ぎの流れ
円満に伝えられたら、次は実務的な引き継ぎです。ここでつまずかないために、流れを知っておきましょう。

返してもらうもの(預けている書類)を確認する
税理士には、帳簿や決算書、申告書の控え、領収書や請求書などの原始資料を預けていることがあります。変更の際は、これらを返却してもらいます。何を預けているかを事前に整理しておくと、スムーズです。
会計データや届出の控えを引き継ぐ
クラウド会計を使っている場合は、データの引き継ぎは比較的スムーズです。一方で、前の税理士が記帳を代行していた場合、その会計ソフトのデータは会計事務所側に帰属し、必ずしも引き継げるとは限りません。ただ、先方から会計データの引き継ぎを受けられない場合でも、過去の決算書や総勘定元帳といった書類がそろっていれば、新しい税理士が問題なく引き継げますので、ご安心ください。
もう一つ、忘れずに確認したいのが、消費税をはじめとする各種届出書の控えです。どの届出を提出しているかは、税務の判断に関わる大切な情報です。これらは新しい税理士がぜひ手元に欲しいものです。
入手の方法はかんたんで、今の税理士に「税金関係の届出書一式の控えをください」と伝えれば、用意してもらえます。仮に控えが見当たらなくても、税務署に確認すれば把握できますが、手元にあれば引き継ぎがぐっとスムーズになります。変更を伝える際に、あわせてお願いしておくとよいでしょう。
新しい税理士に渡す主な書類
一般的には、過去2〜3期分の決算書・申告書の控え、直近の試算表、会計データなどを新しい税理士に渡します。何が必要かは、新しい税理士が具体的に案内してくれますので、指示に従って準備すれば大丈夫です。
引き継ぎは、一見大変そうに見えますが、ポイントを押さえれば難しくありません。新しい税理士がしっかりサポートしてくれるところを選べば、安心して任せられます。
新しい税理士を選ぶときのチェックポイント

せっかく変えるなら、次は失敗したくないものです。新規のご相談でも「次はどう選べばいいですか」とよく聞かれるので、私がお伝えしているポイントを挙げておきます。今感じている不満が解消されるかどうかを基準にするのが、いちばん確実です。
- 決算前に提案や打ち合わせをしてくれるか(結果を伝えるだけでないか)
- 気軽に質問できる雰囲気か(話しやすいか)
- クラウド会計など、今の時代の道具に対応しているか
- 税務以外の相談(資金繰り・社会保険・経営など)にも応じてくれるか
特に最後の点は、見落とされがちですが重要です。事業を続けていると、税金以外の相談ごと——資金繰り、補助金、社会保険の手続きなど——も必ず出てきます。これらをまとめて相談できる事務所だと、心強いものです。
税理士の料金相場や、より詳しい選び方については「徳島の税理士顧問料の相場はいくら?料金の決まり方と選び方を税理士が解説」でも解説していますので、あわせてご覧ください。
徳島で税理士の変更を考えたら
当事務所には、ほかの税理士から変更してこられたお客様が数多くいらっしゃいます。「提案がなかった」「話しづらかった」「クラウド会計に対応していなかった」——そうした不満を解消し、安心してご相談いただける関係づくりを大切にしています。
- 税理士×中小企業診断士のダブルライセンスで、税務だけでなく経営や資金繰りの相談にも対応します
- 社会保険労務士が在籍しているため、社会保険の手続きまでまとめてご相談いただけます
- 所長が直接対応する2人担当制。日常的な経理のやりとりは担当スタッフが、税務や経営に関する相談は所長が対応する体制で、きめ細かくサポートしています
- クラウド会計(マネーフォワード・弥生)に対応し、効率的なやり取りが可能です
「今すぐ変えるかは決めていないけれど、一度話を聞いてみたい」という段階でも、まったく問題ありません。今の税理士を続けながら、別の専門家の意見を聞くセカンドオピニオンのご利用も歓迎しています。初回30分の無料相談(対面・オンラインいずれも対応)をご用意していますので、お気軽にお問い合わせください。
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