ガソリン20円高騰!徳島の経営者が知っておくべき通勤手当増額の税務と労務

こんにちは、徳島の税理士・中小企業診断士の逢坂です。本日、ある経営者の方からご相談をいただきました。 「中東情勢の影響で、ガソリン代が20円以上も高騰してしまった。従業員の負担を減らすために通勤手当を増額したいが、税金や社会保険はどうなるのか」という内容です。

車通勤が不可欠な徳島において、ガソリン代の高騰は従業員の家計に直結する問題であり、企業としても、何らかの配慮や対策を考える必要が出てきています。

今回は、このご相談を契機として、2026年3月現在の視点で「通勤手当の見直し」における実務上の注意点を整理してお伝えします。

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中東情勢によるガソリン高騰と徳島の車通勤への影響

急激な中東情勢の変化により、ガソリン代が1日にして高騰しました。

徳島は公共交通機関よりもマイカー通勤を選択せざるを得ない地域が多く、往復の距離が長い従業員ほど、燃料代の負担増によって手取り給与が実質的に目減りします。企業として支援策を検討することは、人材の定着やモチベーション維持の観点からも重要な経営判断といえます。

活用すべき「改正後の非課税限度額」

2025年に通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。現在は、特に距離が長い区分において、以前よりも非課税で支払える枠が広がっています。

主な区分(自動車等の利用)は以下の通りです。

  • 片道10km以上15km未満:7,300円
  • 片道15km以上25km未満:13,500円
  • 片道25km以上35km未満:19,700円
  • 片道35km以上45km未満:25,900円
  • 片道45km以上55km未満:32,300円
  • 片道55km以上:38,700円

現在の支給額が以前の古い基準のままであれば、この非課税枠の範囲内での増額については、従業員に所得税がかかることなく支援を行うことが可能です。

増額を検討する際の2つの視点

手当を厚くする方法には、大きく分けて2つの考え方があります。

① 支給単価そのものを引き上げる(恒久的な対応)

社内の規定を見直し、1kmあたりの支給額を底上げする方法です。従業員の安心感には繋がりますが、一度上げるとガソリン価格が下落した際に引き下げにくいという側面があります。

② 期間限定の「燃料手当」として支給する(一時的な対応)

「情勢が落ち着くまで」といった期限付きで、定額の手当を上乗せする方法です。状況に合わせた柔軟な対応が可能ですが、燃料手当として支給する場合、支給額が非課税限度額を超えてしまうと、その超過分が所得税の課税対象になる点に注意が必要です。

社会保険料への影響も忘れずに

税務以外で見落としがちなのが「社会保険料」への影響です。

通勤手当は、所得税では非課税となる枠がありますが、社会保険(健康保険・厚生年金)の計算においては、全額が報酬としてカウントされます。

手当を増額した結果、標準報酬月額が2等級以上変動する場合には随時改定(月額変更届)の対象となり、会社・従業員双方が負担する社会保険料が増えるケースがあります。手当の増加分が社会保険料の増加で相殺されてしまわないか、事前にシミュレーションしておくことが肝要です。

徳島の企業が取るべきこれからの対応

ガソリン高騰という外部要因に対し、迅速に対応することは従業員への強いメッセージになります。

ただし、手当の変更は賃金規程の改定や給与計算システムの設定変更を伴う実務です。場当たり的な対応ではなく、自社の財務状況と照らし合わせながら、適切なルールを整えていくことが求められます。

当事務所には社会保険労務士も在籍しておりますので、税務面だけでなく、給料のシミュレーションや社会保険への影響など、ワンストップでご相談いただけます。迷われた際は、ぜひお気軽にお声がけください。

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